皆さんこんばんは。たま太郎です。理学療法士をしている10年目の管理職です。
職場は脳血管障害専門病院で超急性期、急性期、回復期から在宅まで幅広い機能があります。
私の趣味は将棋を指すこと(アマチュア三段)
読書をすること(月に最低でも10冊)
今まで2000冊以上の本を読んできました。
理学療法士の皆さんに臨床場面や患者様とのコミュニケーションなど様々な場面で有益な『本』を紹介させていただいております。
一般の方や学生の方でもわかりやすい内容になっています。ぜひご覧ください。
皆さんにいい本との出会いがありますように。。
『ライオンのおやつ』 著者:小川糸
あまりお話をし過ぎてしまうとネタバレになるので、ある程度で抑えときますね。
簡単に言えば、病気になってしまった方がホスピスに入ります。
そこで色々な人たちに支えられて余生を送っていくというお話です。
所々でおやつが登場します。
「もう一度死ぬ前に食べたいおやつ」
「思い出の味」
など様々でした。
いくつか私がこの本を読んで心に思ったことを書いていきます。
・その状況になってみないとその人の事を完全に理解することはできない
みなさんは健康な方もいるんじゃないでしょうか??
「なんか、自分勝手だな」とか思うことも生きていればありますよね。
でもその人のその状況や背景を理解してみると「しょうがないよね」と思ってしまうこともあるとおもいます。
・死ぬことと産まれることは、扉側のどちら側に立つかというだけでそこまではかわらない
なんか、ホスピスって暗かったりするイメージが私にはあったんですが、どうもこの物語ではそうじゃなかったようです。
死についてそこまでネガティブにとらえていませんね。どちらかと言えば死に対して前向きな印象ですね。
・人生の中で特になんの問題も考えずに、ただだらだらと日常を過ごす事ができるということは幸せなこと
私は結構この考え方が好きです。
身体の健康や日々の生活の中で当たり前のことができなくなってしまったり、制限がかけられるとすごくつらいですよね。
私もそう思いました。当たり前に過ごす日常って実はとても大切なことなんだな。って思いました。
今日一日をなんとなく過ごしていた私は本当に考えさせられました
自分で行きたいところに行けたり、自分がやりたいことをできることは、いざ、出来なくなって初めてありがたさに気付くことができる
・実際に人のためにできることは少ない
実際に、つらいことや、どうしようもない問題を抱えている人に対して他人がしてあげられることって本当に少ないんです。
話を聞いてあげたり
一緒にいてあげたり
本当に少ししかないんです。
・死を受け入れることができるということは、死ぬことが怖くないということではない
死を受け入れるって表現が末期ガンやその他の場面でよく使われますよね。
でもそれって
「死を受け入れたから死ぬのが怖くない」とはならないんです。受け入れられても怖いものはこわい。死ぬときにならないとその恐怖はわからない
・動物でもだれでもよくて、誰かにその瞬間に一緒にいてほしいということがある。それは人間でも、ぬいぐるみでも動物でもなんでもそう
つらいときや、寂しいときに誰かにそばにいてほしいって思うことは誰でもあるんじゃないでしょうか?それはぬいぐるみでも、ペットでも家族でも同じです。大切なものや人と一緒にいたいと思うのは当たり前ですよね。
・自分自身がライオンになってしまうんじゃないかというような錯覚
目の前の食べ物や色々なものを欲しがってしまう自分をうまく表現していると思いました
・おやつの前では誰でも、子供になる
私もおやつが食べたくなりますし、なんかおやつと言われると嬉しいですよね。
・ライオンと人間だけが動物の中で、その他の生き物に怯えず眠ることができる
安心感をもって眠ることができるのは動物でも本当にすくないですよね。私も当たり前に感謝して生きていきたいと思います。
・当たり前に思っていることは実は当たり前じゃない、仕事していることも、家族といることも、好きものが食べれるということもすべてそう
私は当たり前に感謝して
「あ、明日死ぬかもしれないな」と後悔しないような人生を歩んでいきたいと思います。
いかがだったでしょうか?
人が死ぬ生きるとかではなくもう少しだけ
「心」
の部分に目を向けた非常にいい作品でした。私の思い出と心に深く残るお話でした。
みなさんも読んでみてほしいです。