皆さんこんばんは。たま太郎です。理学療法士をしている10年目の管理職です。
職場は脳血管障害専門病院で超急性期、急性期、回復期から在宅まで幅広い機能があります。
私の趣味は
将棋を指すこと(アマチュア三段)読書をすること(月に最低でも10冊)
今まで2000冊以上の本を読んできました。
理学療法士の皆さんに臨床場面や患者様とのコミュニケーションなど様々な場面で有益な『本』を紹介させていただいております。
いい本との出会いのお手伝いをさせていただきたいと思います。
。今日は土曜日ですね、医療系は土曜も仕事ですが、たとえば宿泊業界も土日祝日まるで関係ありませんね。今回の本はホテルを舞台にしたミステリー小説です。
ここ最近はビジネス書が続きましたが、大衆小説も好きなのでちょこちょこ紹介していきたいと思っています。
小説を紹介する時は現実にも生かせそうな、登場人物の考え方や仕事ぶりなどの部分も紹介していきます。
今回の本は東野圭吾さん原作の『マスカレード・ホテル』、『マスカレード・イブ』、『マスカレード・ナイト』です。3作合わせてマスカレードシリーズと呼ばれています。
マスカレード・ホテルは木村拓哉さんと長澤まさみさん主演で映画化もされましたね。地上波放送もされたので、見たことある方も多いのではないでしょうか。
それでは一作目『マスカレード・ホテル』から紹介します。
主人公は刑事の新田浩介と、ホテルのフロントクラークの山岸尚美です。以下、主人公を苗字で記載させていただきます。新田は都内の連続殺人事件を担当していたが、この事件は被害者に全く共通点がなく、捜査は難航していました。ある日、現場に残された暗号が次の犯行場所を指していることに気づきます。
そして、次の場所はもう一人の主人公の山岸が働く、ホテル・コルテシア東京でした。犯人を待ち構えて捕まえるために、新田はフロントクラークとして潜入捜査することになります。そこに教育係としてつくのが、山岸でした。
山岸は、『ホテルに来るお客様は皆仮面を被っている、私たちはその仮面を決してはがしてはいけない』をモットーに、フロントクラークをしています。
新田は犯人を捕まえるため、怪しい人物は仮面をはがそうとしますが、ホテルの客への失礼を許さない山岸に注意され、2人は衝突します。
山岸のフロントクラークとしてのプロ意識がすごいんです。
客への礼節や、一見無茶に思える客からの依頼も、機転を利かせて答えていきます。
医療現場とホテルはもちろん違いますが、こういった来ているお客様、患者様第一で、どうしたら患者によりよい医療を提供できるのだろうと常に模索するのは、大事にしていきたいと思いますね。
最初は衝突する2人ですが、お互いのプロ意識を認め合い協力して捜査するようになります。
途中まではホテルに来る様々な客の対応をしていきますが、犯人が姿を現すところからは怒涛の展開です。ホテルの華やかさと、犯人がどこにいるかわからない緊迫感が面白いシリーズの一作目にふさわしい作品だと思います。
続いては『マスカレード・イブ』こちらは短編集になります。
1作目よりも時系列が前で、2人が出会う前の話です。新田は新人刑事、山岸はホテル・コルテシア大阪で働いています。
新田編は事件を追い、山岸編ではホテルを舞台にまた仮面をかぶった客の対応をしていきます。2人の元恋人なども登場します。
私はこのマスカレード・イブが一番好きです。短編それぞれも面白いですが、それぞれの話がつながっていく過程が好きです。
また、山岸が1作目のプロ意識を持つまでの流れも好きです。
最後は『マスカレード・ナイト』3作目では山岸はコンシェルジュになっています。いわゆる客からの要望をなんでも対応といった仕事です。
ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティーに殺人犯が現れると密告状が届いたことから、新田がまた潜入捜査します。
今回山岸はフロント担当ではないため、別の人物が教育係につきますが、山岸と協力する部分は1作目と同じです。
今回の教育係もまた、プロ意識がすごいんですが、やはりコンシェルジュになった山岸の活躍が1作目以上に驚かされます。
客からはプロポーズのシチュエーションの相談やなどまた様々な要望が来ます。それにホテルならではの物や景色を使って時にロマンチックな案をだし、要望に答えていきます。
また今回もカウントダウン・パーティーからの流れは圧巻です。
登場人物の仕事への誇り、仕事を全うする姿に感心でき、怒涛の展開で次々ぺ―ジをめくってしまう面白い本です。
プロの皆さんも是非読んでみてくださいね。